錯 乱
トロッとしたパンが食べたいのです。煙草は入りません。
チーズがたくさん入った、溶けるパンが食べたいのです。ご入用ですか?
それでは、どうぞ。どうぞ?
真面目に聞いて欲しいのです。精神がつらいのですと言ったら、
あなたは私を信用しなくなるでしょう。本当はひどく冷たく醒めているのではないかと……。
無理もありません
私は神の文字にさえ仕える獣のようです。獣のようです。
空を巡る丸い光をご覧なさい。太陽ではないですよ。
空中を覆っている透明な何かです。いつも張り詰めた何かです。
感じますでしょうか? あなたのその肌で。
感じますでしょうか?
こちら、狂える。
狂える、獣。
こちら、獣。
応答せよ。現在位置は――、
この国の極地であると思える。
ああ、ありがとうございます。
これが食べたかったのです。ありがとうございます。
3 Apr.Mon.2000-12.44-
* * *
ある時ふと気が付いたの、わたしの歌はどれも「あなたがこうした、あなたがああした」っ
て詰め寄ってる、と。1対1で対峙する設定ばかりなのよ。で、確かボブ・ディランの歌をラジオで聴きながら、「なんでわたしには物語調の歌が書けないのかしら? 例えば 〝ある日わたしは**をして、それから**して・・・〟 って具合に書けたらいいのに」なんて思ったわけ。まあ、それが成功したかどうか分からないけれど、少なくとも今回は 〝わたしは**をしていたの〟 って歌が書けたから満足。そして同時に(以下、始終くすくす笑いながら)、これは実際に起こったことなのよ、その日は本当にサイテーな日で、わたしは父親に会いに行くことにしたの。そしてパパと一緒に車に乗っていて、とにかくみじめな気分で黙りこくってた。すると、ふと空を見上げると何かが飛んでるのが見えたの。わたしは鳩だと思った。全て解決するっていうしるしだわ、と思った。それからその物体は降下し始めて、よく見るとただの紙袋だったのよ。なんだかとってもおかしかったわ。神様のユーモアのセンスを見せつけられた気がして。(フィオナ・アップル「PAPER BAG」の解説)